カテゴリー: 航海コース

5/4~5/7 ACC長距離航海コース実施

メイストームが吹き荒れた4日間のACC実習航海から無事に帰港しました。受講生の皆さん、本当にお疲れさまでした。

1~2日目 田尻マリーナから阿尾港(和歌山県)

AとBの両チームに分かれ、2時間交代のワッチを組んで2230時に出航します。SSW、20ノットの風に合わせてレギュラージブと1ポイントリーフにして、クロースホールドで友が島水道へ向かいます。オフショアの風なので、高波を避けるために沿岸寄りのコースをとります。
友が島水道を越えるとその恩恵がなくなり、紀伊水道に押し寄せる高波の中を大きくピッチングを繰り返します。ワッチ交代しても横たわることができません。灯台を確かめベアリングフイックスで現在位置を作図します。その間にも行き合う大型船を見張り、コースを変更しなければなりません。2隻の本3に挟まれましたがタッキングを繰り返し逃れます。
和歌山県側の沿岸に沿って北上を続けると、さらに風は35ノットへと強まりました。メインを2ポイントリーフへと縮帆します。明るくなると、ようやく日の岬が視認できます。
ビルジが床上まで溢れてきました。ヒールが大きくトイレの手洗いから海水が逆流したのです。ヒーブ・ツーにしてビルジポンプを作動させましたが排水には35分もかかりました。

阿尾港は目の前です。ほっとしたのもつかの間、ジャイブした途端にメンスルが大きく破れました。チーム全員で破れたメンスルを取り込み、エンジンをかけて入港します。港内に入るとアンカリングを実習します。着岸して艇を片付けて、岸壁にメンスルを広げます。破れたメンスルは全員が参加してリペアテープで修理を行います。

迎えの車が来たので宿に入り早速交代で温泉につかります。ほっとする間もなく、夕食前には宿題を片付けなければなりません。

3日目 阿尾港(和歌山県)から椿泊港(徳島県)

海上気象予報では、風はS、40ノットです。出航前に修理したメンスルを3ポイントリーフにして、ジブはストームをセットします。
阿尾湾を風上側に沿って外海へでると、早速大きなうねりが襲ってきます。しかし風向が予想と異なりSSEなので、ビームリーチで快走します。

雨にかすんだ中から、ようやく伊島が見えてきました。島の風下側を回り、椿泊を目指しますが、蒲生田岬からの強烈な吹き下ろしにヨットは大きくヒールを繰り返します。ヘルムスマンは、目標を外さないようにステアリングを行うため腕に力が入ります。
予定した岸壁は風下側にあるので波が打ち寄せ、とてもアンカリングは出来ません。小さな漁港に入港して岸壁へ横付けする事にしました。アンカリングの余地が無い為です。

民宿へ着くとお風呂が待っています。夕食にはタイ、イサキ、はまちなどの天然物のお刺身が大皿に盛られてきました。とても食べきれません。修了テストが待っているため、ビール一杯を楽しむのが関の山です。

4日目 椿泊港(徳島県)から田尻マリーナへ

予定を早めて0800時に出航します。雨と強風は昨日と変わりありません。伊島を越えて北上すると、島影は全くなくなりました。DR(推測航法)で1時間ごとに現在位置を海図へプロットします。
風はさらに強まります。友ヶ島へ接近するまでは、3ポイントリーフとストームジブで持ちこたえてセーリングを続けます。加太の瀬は既に南流の最強時となりましたが、7ノット以上のスピードを保っているので、見る間に通過して大阪湾へ戻りました。
しかし風はさらに吹き募ってきたのでメンスルを降ろし、ストームジブだけでブロードリーチのセーリングを続けます。友ヶ島灯台の観測では風向S、風速19mとなっています。関空が見えてきました。もうすぐ母港です。メンスルを3ポイントリーフのままもう一度上げます。スピードアップし1700時、田尻マリーナへ無事に帰港しました。

2023年の長距離ACCコースは、メイストームが吹き荒れる4日間となりました。受講生の皆様、この経験が少しでもお役に立てば、インストラクターとして嬉しいです。

海外便り アフリカ・ケニア モンバサ編 Voice from Mombasa, Kenya, Africa

アフリカ・ソマリア沖の海賊が怖くて、世界周航するヨットは紅海からスエズ運河を通って地中海に向かう航路ではなく、アフリカ大陸を大回りで希望峰経由で航海するようになって久しいと聞きましたが、今はどうなのでしょうか?  西回りでインド洋を横断してきたヨットは、長期間の航海の疲れを癒すため、最初に投錨する泊地がここケニア・モンバサの北40マイルのKilifi Yacht Clubなのかも知れません。泊地には数艇の大型ヨットが停泊し、クラブのレストランでは西洋人がゆるりと食事を楽しんでいました。(みち)

Pirates at offshore Somalia have been attacking small vessels going through Red Sea and Suez Canal to Mediterranean Sea, so that long cruise yachts have chosen the sailing route going around African Continent via Cape of Good Hope. They might drop anchor at Kilifi Yacht Club, Mombasa, Kenya for a short rest after long voyage crossing Indian Ocean. Many European sailors are enjoying African food at the Club restaurant. (Michi)

ゴールデンウィーク 長距離航海コース BCC を開講しました

4月29日
AM10:00 田尻教室に全員集合、まずは健康診断からスタートしました、全員合格。初日のレグのチェック後、ヨットの整備をしました。
AM11:00 装備を整えて、スタッフの見送りで出航しました。
航海中  関空の南を通って大阪湾の沖を目指して帆走していましたが、強い雨の中360°視界なし。コンパス頼りでした。
ただ幸いしたのが、南からの安定した風が吹いていたことで、クロースリーチで問題なく帆走出来ました。
岸から離れすぎるのは良くないので、タッキングしてもらい、暫くすると発電所の煙突が見えてきました。
ここからは、風が東側にシフトし始めましたので、岸に十分近づいたところでタッキング。
そして、加太の瀬戸が見え始めましたので、進路を保ちつつ加太の瀬戸に入ることとしました。
PM3:00 セイルを取り込み加太港に進入。アンカリング練習をして着岸しました。
PM5:00 この日の宿に着き、予習問題の回答と当日の航海の問題点について話し合いました。

4月30日
AM8:00 航海準備を始めました。
AM9:00 加太港を出航。この日の目的地は津名港です。
航海中  この日も南からの風で、ブロードリーチで順調な航海となりました。
ところが、徐々に風が強くなってきて、ジブセイルをレギュラーに交換してもらいました。
暫く帆走し、観覧車が大きく見えたところで、今朝用意して頂いたおにぎりをみんなで楽しく食べ、昼食としました。
津名で操船練習をしてもらいました。タッキング、ジャイビングなど何度もしてもらい、やっとここに来てクルーワークが安定してきました。
PM1:00 風がだんだん強くなって来ましたので、着岸することにしました。
PM3:00 船の整備を終え、宿の方に迎えに来て頂きました。
PM4:00 卒業テストをしてもらいました。夕食が午後6時からという事もあり、時間に余裕がなく忙しくなりましたが、全員無事合格となりました。

5月1日
AM9:00 津名港を離岸、ここから一時間位は風があまりありませんでした。
AM10:00 ようやく風が上がって来ました。調子よく進んでいた時、青木校長先生より電話がありました。
「セイルを下ろしたら方がいい」とのアドバイスを頂きました。このアドバイス通り恐ろしい程の風が吹いて来ました。
航海中  メインセイルを降ろしたのちレギュラージブ一枚で帆走していましたが、なんと艇速7ノット位出る強風の上、
波高2m位の波、ちょっとしたサバイバルセイリング状態となりました。
あまりにも早い船足で、明石海峡大橋がみるみる大きく見えてきました。ますます風波とも高くなり、難易度は上がり続けました。
明石海峡の東端にある中央航路標識を横目に見ながらジャイビング。今度は波を横から受ける事になり、晴天の中皆んなずぶ濡れになりました。
PM1:00 神戸フィッシャリーナに着岸。ここではポンツーンに着岸する為皆さん安堵の表情でした。
PM2:00 二名の方は、ここで航海を終了しました。皆さん無事解散となりました。
三日間、大変お疲れ様でした。

 

2021年GW長距離航海コースのご案内

ゴールデンウィークに、BCC、BBCおよびACCコースを設定致しました。連休中に長距離航海コースにチャレンジされませんか。
単1コースだけでも、連続コースでも参加可能です。経験値を上げたい方の再受講も歓迎します。

青木ヨットスクールでは、東京都および大阪府の感染防止ガイドラインに準拠して、感染防止対策を徹底しております。
今回の受講人数は、各コースともに定員を4名に減員致しました。

毎年恒例の人気コースです。先着順となりますので、お早目にお申し込みください。

◆GW長距離航海コースの詳細とお申し込みは、下記リンクをご覧下さい。

2021年ゴールデンウィーク長距離航海コース

フィリピン・セブ通信③ 42ftロングキール艇 修理継続中

フィリピン・セブの田舎町ダナオ・カルメンでドック入りした42ftロングキール艇、7ヶ月が経過して進捗65%というところです。6月より作業員を縮小して修理を継続することにして、その間、航海計器、ステアリング機器や電装品の調達を進めます。秋以降に修理を再開し、来年2月ごろのシェイクダウンを目指します。ASA-BBC資格を取得されたセーラーの皆さん、暖かく海の綺麗なフィリピンに是非Bare Boat Cruisingにお越しください。。

フィリピンの新型コロナ対策もこれ以上の厳しい規制を続けると経済が立ち直れなくなるようで、漸く国内航空便が飛び始めました。なので久しぶりにスービックに戻ってきました。(みち@スービック)

 

4/30~5/3 種子島長距離航海コース ACC

4/30 14時過ぎに高知港ヨットクラブのビジター桟橋にEAGLE II号が到着、燃料や水の残量を確認し補給、生憎の雨の中18時の集合時刻に集まったACC受講生と明るいうちに艇の確認、外れたスライダーの修理中に2次トラブル!、ハリヤードを離してしまいマストに登ることに、フラクショナルリグのためボースンチェアでマストトップまで上れないため、ボートフックの先端に針金を付け、何とかメインハリヤードを回収しました。出港準備をして航海計画を検討、ワッチは3時間交代とし離岸・出港、夜の海を足摺岬に向け進みます。が、BBCの時と同様、プロペラに流れ藻を巻いてしまったようで、機帆走で艇速が伸びず。朝になって明るくなってから潜って藻を除去。残航程と日没までの時間を見ながら、何とか明るいうちに土佐清水に入港できると判断、土佐清水港に入港して燃料や食料の補充、第2レグの航海計画を検討し2時間ほどの小休止の後に出港。2回目の夜間航海、宮崎まで途中の航路標識に沿って進む計画、宮崎沖で南寄りの風に岸寄りに寄せて都井岬を目指します。日没を迎え種子島に渡るアプローチコースを再考、黒潮の流れを考えて火埼の灯台正横を過ぎてから種子島に向かうことに。馬毛島の西に船首を向けて航跡がちょうど西之表の沖に向いていることを確認しあとは夜明けを待つだけ。大隅海峡を半分渡ったあたり、夜明けまであと数時間というころでまたプロペラに流れ藻を巻いてしまったようで、日の出を待って潜って藻の除去。予定より少し遅れましたが無事種子島西之表港に到着。港の手前でも流れ藻がたくさん浮いており、流れ藻に悩まされたACCコースでした。

4/27~28 種子島長距離航海コース BCC

GW種子島長距離航海コース、BCC1日目は和歌山マリーナシティで航海計画の検討後に出港、北寄りの強風の中、縮帆してのセーリング、島の間を抜け岬を回航して湯浅港へ、海の駅の桟橋に係留後は宿に移動して2日目の計画を立てました。2日目は0850出港、沼島に向けセーリング、クロスベアリングで位置確認しながら進み、沼島を回航後は南小松島に向け南下。目標のブイを探しながらアプローチし係留予定の南小松島漁港の岸壁に着岸しました。

四国一周長距離航海コース・BBC (11/17-18:弓削島~マリンピアむさし)

村上水軍は現れたか・・・

海の駅で隣に舫われていたカッターリグは、卒業生S氏の「たそがれ」号でした。ご夫婦旅の途中だとか・・・羨ましい。潮流のタイミングがあるので、艇上で朝食をとってから出港しました。島々を越えるたびに変わる景色が、我々を楽しませてくれます。今日の潮周りは小さいので、通過も難しくはないだろうと舟折瀬戸を選びました。村上水軍の能島を見てみたかったというのも経路決定の一因ですけどね。それにしても、当時の水軍の航海術と操船術は、おそらくは現世のそれを凌いでいるのでしょう。
ここまで来れば、九州は国東半島に向けて一直線に進むだけです。もちろん、気は抜けません。風がやや強まる予報と、夜に備えて2枚のセイルを各々縮帆しました。それでもEAGLE-2は快調な帆走を続けます。周防灘へ向かう商船は北寄りに、豊後水道に向かう商船は南寄りに航路を取り始めました。その真ん中を進む我々は、夜の海に取り残されたみたいな感じです。遠くに航海灯は見えても、此処には別の世界が在るようにさえ思えるのです。そして暫くは、星を頼りに舵を曳くことの愉悦を覚えるのでした・・・
快調に帆走りすぎました・・・ 夜明けどころか、日付が変わったころには大分空港の灯りを目指していました。ゴールの”マリンピアむさし”は、滑走路の北端を周ったところにあります。というか、滑走路が防波堤の一部ともいえるマリーナです。明るくなるまで帆走し続けて時間調整する方法もあったのですが、最終日の疲れも考慮して、夜間入港(マリーナに連絡済)することにしました。それはそれで、神経を使うことになるのですが・・・ さて、EAGLE-2をバース(桟橋)に着け、受講生がバース(寝床)に入るとすぐに鼾の合唱が始まりました。お疲れ様でした。
夜が明け、艇を片付け、朝食をとりながらなの雑談に花が咲きます。このあと、マリーナの業務が始まったら、卒業試験が待っていますよ。(笑) (あ)

正式には、”くにさき・マリンピアむさし海の駅”といいます。BBCからACCへの引継ぎで無人になるEAGLE-2を預けられる、親切でホスピタリティーの高いマリーナです。技術系スタッフに女性が多いのが特徴でしょうか? https://www.marinpiamusashi.info/

四国一周長距離航海コース・BBC (11/15-16:姫路木場~弓削島)

長距離航海コースの第二章BBC区間は、姫路木場(兵庫県)~弓削島(愛媛県)~マリンピアむさし(大分県)の航程200海里です。2回の夜間航海を乗り切らなければなりません!

1700時、3名の受講生が姫路の木場ヨットハーバーに集まりました。まだ明るさのあるうちに、教習艇EAGLE-2(YAMAHA-34)の装備を確認しておこうという魂胆です。(笑)
BCCに引き続いて参加の人、昼間の長距離航海の経験のある人、シングルハンドで沖縄に行った人。自己紹介と航海計画の発表で、既に盛り上がっています。夜の備讃瀬戸を航行するためには、適切な目標を選ばなければなりません。海図には灯浮標による道筋が示されていますが、それは他の船も集まってくることを暗示しています。つまり、航海を計画する”戦略”と、航海を実行する”戦術”を学ぶことになるのです。
今回の航海でクルー3名のローテーションは、2時間交代でコクピットには常時2名が居るように決めました。つまり、ワッチは都合4時間となり、2時間の休憩を確保できます。ただし、セイルチェンジ等はオールハンズで対応します。
さて、準備を整てヨットハーバーの防波堤から出てみると・・・第一目標の灯りがどれなのか判断できません! 海面には、海図のイメージよりも多くの灯りが見えるのです。漁具の灯りや、陸上の灯りがあって、その灯りの強弱の違いで距離感が掴めません。その灯りに紛れている灯浮標”Mo(A) 8s”を発見しないと、この先には一歩も進むことはできないのです。「落水っ!」そう叫んだ、インストラクター(あ)がダンブイを投げました。ストロボの点灯は強く、空中を飛んでいるようにさえ思えます。なんとかダンブイを回収した時には、方位を失っていました・・・
姫路から西へ向かう、赤穂や牛窓の沖には約5海里ごとに灯浮標があります。それぞれの灯質を見極めれば、順番に辿って行くことができるのです。この時点では全員がコクピットに居て、雑談をする余裕がありました。小豆島の北側を通過した辺りから、内航貨物船が多くなり、ワッチに緊張感が出てきました。海図に記されていない灯りも増えてきました。これらは航路標識でないもの・・・通常は航行に危険なものを表しています。そして、この井島水道を南に下れば、備讃瀬戸東航路です。高松市街の灯りの中に、西に東に向かう大型商船の航海灯も視認できいるのですが、受講生はまだ気づいていません。さあ大変だ!
瀬戸大橋をくぐり抜け、備讃瀬戸北航路を進むうちに夜が明けました。(風光明媚なところを・・・次は昼間に帆走りたいものです。(笑)) 日が昇り、温かくなってくると笑顔になります。海が広くなりました。燧灘です。穏やかなイメージの瀬戸内海ですが、幾つかある”灘”のつく海域では外洋なみに時化ることがあるので注意が要ります。幸い、今日は帆走日和りでした。
本日のゴールは、弓削島の西側にある”上島町ゆげ海の駅”です。専用のポンツーンもあり、何より超安価なのが嬉しい。1t当たり1日1円! つまり、プレジャーボートなら5円程度で安全安心な停泊ができるのです。駅舎の設備も素晴らしいので、テーブル席を借りて後半戦の航海計画を立てました。明日は、潮流を乗り切るのがポイントですね。村上水軍が現れたらどうしよう・・・ (あ)

”上島町ゆげ海の駅”は、機会があったら是非立ち寄って欲しいですね。インストラクター(あ)も、また行こうと思います。 http://yuge-seastation.strikingly.com/

四国一周長距離航海コース・BCC (11/11:淡路島富島~姫路木場)

天気良好!

宿は富島港を見下ろす丘の上にあり、本日の航程海域が一望できました。海岸線近くは定置網がびっしりで、その外には釣船の集団がいて、さらに沖には大型商船が行き来しています。
お天気が良いからか、昨夜の卒業試験に合格したからか、出港準備の手際がとても軽やかです。(笑) 船尾の錨を抜くのに少々力が要りましたが、揚がってきた錨には堅めの泥が付いていました。錨利きのよい港だということですね。港を出て、定置網の横をを抜けてから帆走開始です。まっ直ぐ行けば姫路なのですが、鹿ノ瀬という浅瀬(水深2.0mの表示も!)があるので北寄りの針路を取ります。播磨の工場地帯が目印です。変針点には、高蔵瀬東端の浮標を選びましたが、見付けられるでしょうか? いや、必ず見付けて下さい。それよりも、あらゆる方向から船が走ってくるので、見張りを怠れません。広い海のなかで標識や船舶を見つけるのには、ちょっとしたコツがあります。闇雲に双眼鏡を覗けばよいのではなく、海図を読み取り、3Dイメージを頭に描けば・・・ほら、あそこに見える!
そう、海図によれば、播磨、高砂、姫路と埋立地が広がるなかで、一か所だけ自然海岸と思われる不思議な表示があります。そこが最終目的地の姫路木場ヨットハーバーなのです。そうすると、あの煙突を越えれば良いだけ・・・微風に悩まされ、時々吹く軽風を拾いながら、なんとか自然海岸(小赤壁と呼ばれているらしい)の沖に着きました。クラブハウスらしき建物が見えます・・・「落水っ!」またしても不意打ちのMOBですが、昨日よりもはるかにスムーズな対応に、インストラクター(あ)は面白くありませんでした。(笑)
入港後、片付けや係留を丁寧に行い、翌週のBBCコースに気持ちよくバトンタッチです。3日間お疲れ様でした! (あ)

四国一周長距離航海コース・BCC (11/10:淡路島津名~淡路島富島)

大潮の明石海峡を通る!

2日目は、淡路島東側の津名港から西側の富島港への20海里です。距離だけをみれば4-5時間の航程ですが、明石海峡を通過できる時刻を見極めるのが航海計画のポイントです。そこから出港時刻も決めて、0815時に津名港を出発しました。小春日和の陽射しに冷たい北北西の風が心地よいです。EAGLE-2も軽快に帆走ってしまい、計画よりもだいぶ早く明石海峡に入りました。
潮は大阪から姫路へ流れる順潮ですが、最強時刻から1時間程度なので6kt強はありそうです。しかも、風は姫路から大阪への逆風が15ktほど吹いているので、大きな波が立っていました。ヘルムスマンの闘いが始まります。流れに舵を取られます、船首が振れると風に押し返されます、釣船がウロウロしているので思うように操船できません!
海峡を無事に通過しても、しばらくは川のように潮流がありましたが、やがてブロードリーチの快適な帆走になりました。ここで新たな問題が発生しました。淡路島の西側は同じような景色が続き、何処が富島港なのかが判りにくいのです。幸い帆走は落ち着いているので、慎重に船位測定しながら進みました。「あそこに釣船がたくさんいるのは、漁港の沖ってことではないでしょうか?」「そういう考え方も間違いではないですね。どうなるか楽しみですね~(笑)」
どうやら富島港に間違いないようです。ほっとしたところで、不意打ちのMOBです。右?左? いや、風上?風下? 5時の方向! ボートフックは? あー届かない! もう一度アプローチして、行き足を止めて、はい救助! ヘルムスを交代しながら、落水者救助訓練を繰り返しました。
富島港では、一番奥の岸壁に槍着けで係留しました。係留費は0円です。(笑) 宿では航海計画の立案だけでなく、卒業試験も行いました。 (あ)

 

四国一周長距離航海コース・BCC (11/9:大阪田尻~淡路島津名)

青木ヨットの母港田尻を出航して、反時計回りに四国を一周する長距離航海コースが始まりました!

第一弾のBCC区間は、大阪田尻~淡路島津名~淡路島富島~姫路木場のおよそ60海里です。
11月9日の朝は雨でした。それも、かなり激しく降っています・・・ しかし、2名の受講生の行いが良いからか、教室で航海計画の協議をしているうちに晴れたのです。これは幸先がよい!
教習艇である34feetの「EAGLE-2」号の艤装を整えると、青木校長とスタッフに見送られて桟橋を離れました。田尻港の目の前にある関西空港を交わせば、淡路島が見え・・・ません。雨は止んだものの、視界は10海里もありません。インストラクター(あ)は、「まっ直ぐに進めば、津名港に着きますよ~」と呑気なものです。ヨットに限らず船を直進させるというのは、まさに至難の業なのですから。風に振られ、潮に流され、大型本船を避け、うっかり他所見して・・・針路を変えられてしまう要因を察知して対応すれば、目的の進路を得ることができるのです。もちろん、それを習得するのは簡単ではありませんが、気配りのポイントをBCC以上のスクールで学べるのです。
さて、津名港には明るいうちに着きました。係留料7,020円(9.0m/1泊)は少々お高いですが、陽が暮れてからの片付け作業も容易なので良しとしましょう。いや、関東の係留料と比べても高いぞ、これは・・・ (あ)

11/9 四国一周長距離航海コース、田尻マリーナより出航

2018年11月9日、瀬戸内海から大分を経由して四国を一周する長距離航海コースが開始されました。週末毎に3つのコースに分けて開催される、延べ11日間の過酷な航海実習の最初のコースがスタート。

受講者は午前10時に集合、教室でインストラクターからコースの説明や注意点などを受け、事前に宿題として出されている課題である第1レグの航海計画を検討、その後教習艇に移動して出航準備。お昼過ぎに離岸、青木校長以下スタッフに見送られての出航となりました。
どんな航海になるのでしょうか…、航海の様子はまた追ってレポートさせていただきます!

秋の青木ヨットスクール、ナビコース開催します

青木ヨットスクールでは、CONコース(東京)の、9月15,16日の開催が決定しました。
11月に予定されている四国一周航海コースに備えて、ナビゲーションの実力アップを図りませんか。

9月22日から3日間、横須賀発BCCコースで、より実践的なクルージング技術を身につけませんか。

10月13,14日は横須賀校、10月27,28日には大阪校で、海上気象を学ぶMWXを開催します。
皆さん、スキッパーの技術をさらに磨きましょう。

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■■■CONコース■■■

現在位置が安全か危険なのかを判断するために、航海術と評価法を学ぶ2日間のマスターコースです。
BBC以上のコース受講には、必須ライセンスです。

◆CONコースの詳細とお申込みはこちら!

CON 航海術コース

◆開催地と日程
【東京夢の島マリーナ:2018年9月15日(土)・16日(日)】

お申し込みは以下をクリック!

ナビコースの日程とご予約

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■■■MWXコース■■■

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5/5・6、瀬戸内航海コース・ACC(3日目:池田港~田尻港)

次の雨が来る前に帰れそうです。しかし、別の難題が・・・

残すは母港田尻までの65NMです。コースの特徴は、何と言っても鳴門海峡の通過でしょう。うず潮だけでなく、海面にできる段差も要注意です。(http://www.uzu-shio.com/?utm_source=yahoo&utm_medium=cpc) 5月5日は大潮ではありませんが、「大うずの日」と呼ばれているようです。よく、「ヨットが通ってもいいんですか?」とか「機走ですよね?」とか、聞かれます。ヨットも通れるし、もちろん帆走です。ただし、潮の向きと速さを調べて、適切な時刻に通過しなければなりません。そこから池田港の出発時刻も決まります。うん、さすがACCコースですね・・・ インストラクター(あ)は、いまさらのように気が付きました。「田尻港の入口には橋が架かっているので、潮が高いと入港できない!」 2130時までに帰港しなければ、翌日の午後まで入港できないのです。受講生は、「別の港に入ればいいんじゃないですか」「時刻までセイリングしていれば良いんですよね?」と、ここで慌てないのも、さすがACCコースです。結果、2030時に帰港できました。反省会の後、そのまま船中泊となりましたが、すぐにイビキの合唱が始まりました。(笑) さて翌朝、艇の片付け清掃を行い、ACCのまとめをして解散です。お疲れ様でした。「家に帰るまでが遠足」ですよ! (あ)