5/3〜6 種子島長距離航海コース OPM

2019年GW長距離航海最終コースOPMが種子島〜室戸岬港〜和歌山マリーナシティで開催されました。5/3 1300 受講生2名、オブザーバ参加1名の3名が種子島西之表港に集いました。さっそく航海計画を確認して出港の準備にかかります。OPMの重要なテーマの1つは陸地が見えない外洋をGPSに頼ることなく六分儀による天測で位置を求めながら航海できるシーマンシップを身に付けることです。ACCまでの海図を基にした航海計画に加えて、毎日朝夕の薄明時に見える天体を予め幾つか予想することが予習課題です。1600予定より2時間早く西之表港を離岸し、種子島北端喜志鹿埼(きしかざき)をMC110に見て変針、一路室戸岬を目指します。進路MC054、220海里、S5.0で44時間、ASA最高峰の外洋長距離航海コースOPM (Offshore Passage Making) の始まりです。

変針後NNEの風でMC054が維持できず機帆走を続けていましたが、2200今航海で幾度も苦しめられた海藻をプロペラに巻き付けてしまい、1ポイントメイン、レギュラージブでの帆走を余儀なくされました。直後はMC054で何とかギリギリ登るも次第に東に振れる風に登り切れず沖出しです。が、夜間の5/4 0000から0600の6時間で平均MC072、48.5海里をゲイン、実に平均速度S8.1を記録。太平洋沖に流れる黒潮に押されての結果ですね。その間期待の月は新月のため空にはなく、朝の薄明では惑星、恒星による天測を試みますが、薄明時には太陽の光を受けて思いの外あっという間に見えなくなることを知りました。風がNであれば黒潮に乗りながらMC054を維持できたのですが、さすがに沖出しが気になり、0627タックして計画コースに戻るべく北上。その後も太陽によるLOPを3回、正中時のLANを1回天測してGPSの位置と比べながらの天測実習は続きます。風も落ち気味で1245風がいよいよ弱くなった時点で、ヒーブツーにしてプロペラに絡まった海藻を潜って除去しました。その後しばし良い風に吹かれフルメイン、ジェノアでの帆走。1500風が落ちて機帆走開始直後、再度海藻をプロペラに巻き付ける失態!。再び潜って海藻除去。その後は太陽のLOPを2度行いながら機帆走で寄港地室戸岬港を目指します。

明けて5/5 0500 風が良くなりフルメイン、レギュラージブで帆走再開。落水者救助の訓練、太陽のLOP2回、LAN1回の天測実習は続きます。クロースホールドでヒールするキャビン内チャートテーブルで体を保持しながら天測暦、天測計算表を紐解き、UPSに作図する厳しい天測実習となりました。1400室戸岬港に接岸、予定より2時間早い入港です。全航程220海里、44時間の航海、帆走24時間、機帆走20時間でした。燃料や食料の買い出し、最終レグの航海計画を検討して、1630室戸岬港を出港、母港和歌山マリーナシティを目指します。風はNE次第に弱くなり室戸岬回航後はほぼ機帆走で5/6 0624母港桟橋に接岸しました。

受講生の皆さん、本当に大変お疲れ様でした。4日間晴天に恵まれ、嫌という程太陽に付き合ってもらい、LOP、LANによる天測実習ができました。GPSとの誤差は大きい時で18海里ほどでしたが、初日のLANでは2海里以内の素晴らしい結果も出されました。また、あらゆる航海状況、そうですあの海藻がプロペラに巻き付いてエンジンが使えない状況でも冷静に帆走して、黒潮を味方にしながら距離を稼ぐなど、今回もOPMにふさわしい航海実習でした。これで全てのASAコースをクリアされました。これまでに学ばれた知識と経験を生かして、どうか安全でチャレンジングなセーリングを楽しんでくださいね。またお会いしましょう。(みち)

 

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