月例坐禅会の中止と自宅坐禅のすすめ

毎月、泉佐野市の慈眼院をお借りして行っている月例坐禅会は、緊急事態宣言を受けて3月から4月まで中止しています。

思いもかけなかった非常事態に遭遇し、今後の生活は一体どうなるのだろう。誰もが不安に思う毎日です。
このような時にこそ、いつもの坐禅が役にたちます。これまでの練習を思い出し、自宅でも職場でも一人静かに座り、30分間、呼吸を整えましょう。長くゆっくりと鼻から息を吐くことで、腹式呼吸ができます。30分間、静かに腹式呼吸を続けると、波立っていた感情が収まってきます。
意識は感情によって影響を受けますが、静かに呼吸して坐ることで感情の支配から離れることができます。すると意識にバランスが生まれ、多角的な視点に基づいた賢明な判断が浮かび上がってきます。

坐禅は自分自身の意識を無にするものではありません。ある考えに集中させるのでもありません。自分にとっての課題や問題を、360度の視角からバランス良く見つめ、意識の冷静さを保って最善の解決を見出そうとして行う行為です。

冷静さを保つことを英語では「even keel」と言います。前後のバランスを水平に保つ船用語です。
古来から伝わる言葉では「平常心」と言います。平常心は、誰もが持っている宝物です。坐禅によって得られる平常心は、限られた情報の中で、決断を下さねばならない時に使えるとっておきの技です。
いまこそ、宝物を取り出しましょう。

平常心(びょうじょうしん)鈴木大拙書

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